抄録
症例: 80歳代後半女性、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(Diffuse large B-cell lymphoma:DLBCL)の診断を受け、入院中にR-CHOP療法を実施した。第1~3クールまで行いながら、有害事象による廃用症候群に対しての理学療法を開始した。ベッドサイドでの運動療法から進め、屋外歩行可能なレベルとなり、退院前訪問指導を経て、自宅退院となった。再入院後、R-CHOP療法の第4・5クール実施し、理学療法により、体力維持と自主トレーニング指導を行った。再々入院後、R-CHOP療法の第6クールを実施して、化学療法の適応の限界とされたため、開始から236病日を経て、介護保険のサービスを利用しながら、自宅退院となった。
結論: DLBCL患者へのR-CHOP療法を行うと入院期間が長期化する可能性が高い。理学療法は、早期からの廃用症候群の予防と血液検査所見に合わせた対応を行うことが重要である。これにより、80歳後半の高齢者であっても、在宅生活の復帰が期待できる。