抄録
認知症のBPSDは環境因子の影響が大きいことが知られている。病院ではBPSDを認める認知症患者の対応が確立されていないことも多く、ケアの困難感が数多くの研究で報告されている。また、この困難感ゆえに介護者のストレスを誘発し不適切なケアへとつながることでBPSDを増幅させるという悪循環が起きる場合があるとされている。一方でBPSDに対して行動分析学の有効性が示されている。今回、BPSDの一種である徘徊を繰り返す患者に対して本人の性格・病前の習慣を踏まえた上で上記の悪循環を断ち切るものとして行動分析に着目し、個別性を重視したアプローチを実施した。その結果、スタッフからの徘徊に対する忠告が減ると同時に本人のストレスも軽減し、患者の徘徊頻度の減少を認めた。中でも、早期の安静度の変更と身体拘束の解除を行うことで、患者およびスタッフのストレス軽減に繋がったと考えられた。