抄録
「目的」理学療法士間ではウィメンズヘルス理学療法への関心が高まっているが、一般市民における関心を研究した報告は少ない。今回、一般市民における産前産後の理学療法の認知度調査を行い、母親の身体的現状把握と今後の課題を検討する。
「方法」144 名の妊産婦を対象に、母親教室実施前、産婦人科の待合室、市民イベントで無記名面接型アンケート調査を行った。
「結果」126名の有効回答のうち、妊婦の97%、産後女性の96%がマイナートラブルを抱えてい た。病院の受診率は妊婦で4%、産後の女性では11%であった。産前産後に理学療法士が関わることについては妊婦で26%、産後の女性で29%の周知率であった。
「結論」一般市民における産前産後の女性に対する理学療法士の認知度は低率であり、マイナートラブル発生時に治療をせずに様子を見ている母親の存在が示唆された。予防医学の面から妊娠関連での身体的変化の正しい知識の啓蒙を行う必要性が考えられた。