抄録
【目的】在宅酸素療法(HOT)患者の療養生活の現状を明らかにする。【方法】HOT患者78名を対象とし、無記名自記式の調査を実施した。【結果】回収率83.3%であった。日常生活での息切れ経験者は92%、介護保険利用者は45%であった。療養上の不安は、「体調不良時の対応」、「家族への負担」、「停電・災害時」が高値を示した(各60、51、45%)。理学療法士による呼吸リハビリテーションの指導経験者は68%、呼吸リハの実施状況は、外来通院が26%、訪問が17%、自主的な実施は55%であった。HOT患者がとるべき災害時の行動について、32%が「あまり知らない」または「ほとんど知らない」と回答した。【結論】HOT患者の療養上の不安の解消、さらには呼吸リハの継続実施や災害の備えのために、医療介護従事者は対象者の療養状況を把握し、特有のニーズに合わせたサービスを提案し、継続的な支援を提供する必要があることが示唆された。