2022 年 31 巻 p. 63-66
【目的】母趾外転エクササイズが母趾外転筋の筋活動や、舟状骨高に与える急性効果を明らかにすること。 【方法】15名の健常成人を対象とした。自動での最大母趾外転運動時の母趾外転筋の筋活動を、介入前後にそれぞれ測定した。エクササイズの内容として、座位で5秒間の母趾外転運動と1秒間の休憩を10回繰り返した。さらに、立位時と座位時での床面からの舟状骨高の差を舟状骨降下量として算出した。統計学的解析には、介入前後での各測定項目の比較に対応のあるt検定を使用した。有意水準は5%とした。 【結果】母趾外転筋の筋活動は、介入前後で有意な差はみられなかった。舟状骨高は座位では有意な変化がみられなかったが、立位で有意に増加した( p < 0.05 )。舟状骨降下量は、介入後に有意な減少がみられた( p < 0.05 )。 【結論】本研究の結果から、1分間の母趾外転エクササイズが舟状骨降下量を減少させることが示された。