抄録
【目的】サルコペニアと比較したダイナペニア2型糖尿病患者の身体機能特性を明らかにすること。
【方法】2型糖尿病患者162例を対象に、AWGS2019によりダイナペニアとサルコペニアを抽出し群間比較した。サブ解析として男女別に群間比較した。
【結果】ダイナペニア群において、BMI、尿中Cペプチド、体脂肪率、上下肢筋肉量、握力は高値で、年齢、HbA1c、膝伸展筋力体重比、歩行速度は低値であった。サブ解析では、それらの結果に加えて男性ダイナペニア群においてHOMA-IR、上肢筋肉量の体重に対する発達率、TUGが高値であった。
【結論】ダイナペニア2型糖尿病患者は、骨格筋量の絶対量は若年で肥満により維持されているが、骨格筋の体重に対する発達率はサルコペニアと同様に減少を認め、下肢筋力や歩行能力などの下肢機能はサルコペニアよりも低下していることが明らかとなった。また、男性でその傾向が強い可能性が示された。