2016 年 6 巻 3 号 p. 123-126
要旨:本研究の目的は,腓腹筋に対するストレッチングが血行動態に及ぼす影響を生理学的に明らかにすることである。対象は,健常男子学生40名40肢右脚とした。方法は,ストレッチングを課す条件(ストレッチ条件)とストレッチングを課さない条件(control 条件)で,超音波を用いて,血管径および血流速度から膝窩動脈の血行動態を評価し,条件間およびストレッチング前後で比較検討した。結果は,条件間の血管径に有意差はみられないが,血流速度においてストレッチング前に比べストレッチング後は,有意な速度上昇がみられた。本結果から,ストレッチングは血流速度を上昇させるため,栄養する筋血流量を一時的に増加させる可能性が示唆された。