食品照射
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魚肉トリメチルアミンオキサイドのガンマ線照射による分解-I
戸沢 晴已天野 慶之
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1967 年 2 巻 1 号 p. 20-27

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抄録
1.TMAO溶液および数種の魚肉 (TMAO含量の多いもの) に0.6~5.6Mradのガンマ線照射を行なうと, TMA, DMAおよびFAを生ずる。アンモニアは魚肉では生ずるが, TMAO溶液試料からはほとんど検出されない。またTMAOのきわめて少ないコイ肉の場合アミンは生成せず, アンモニアとFAが生じた。
2.魚肉の照射で生成するTMA, DMAはTMAOの分解に起因し, アンモニアはTMAO以外の窒素化合物より来ると思われる。FAの場合TMAO以外にも来源物質が考えられるが, 少くともタラ類では相当部分がTMAOの分解に起因すると推定される。
3.魚肉の照射で生成するDMA量には明らかに試料の個体差, 魚種による差があり, 特にスケトウめ1試料ではきわめて著しいDMA生成がみられたので, これにつき若干の考察を加えた。
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© 日本食品照射研究協議会
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