食品照射
Online ISSN : 1884-3611
Print ISSN : 0387-1975
ISSN-L : 0387-1975
III海外の食品照射研究の現状
川嶋 浩二梅田 圭司
著者情報
ジャーナル フリー

1968 年 2 巻 2 号 p. 28-39

詳細
抄録

海外諸国の動向とか成果は,これまでに数回の国際会議シンポジウムがおこなわれているので,その講演集で知ることができる.まず1958年にはイギリスのHarwellで,イギリス政府とFAOの共催による“European Meeting on the Use of Ionizing Radiation for Food Preservation”が開かれ,ヨーロッパの初期の研究をまとめて知ることができる.ついで微生物の照射については,FAOの後援で1960年にパリで“Meeting on the Microbiology of Irradiated Foods”が,また安全性に関しては1961年にブラッセルで“Meeting on the Wholesameness of Irradiated Foods”が同じくFAOの主催で開かれている.しかしここまでは,まだヨーロッパ諸国とアメリカだけの参加であった.
その後,FAOとIAEA (国際原子力機構) が共同で,“原子力の農業への利用について”の部会を作り,各種の国際会議を主催している.1964年にローマで“International Panel on the Technical Basis for Legislation on Irradiated Food”があり,照射食品の法的許可に対する考え方を各国政府に勧告している.1965年にはヴィーンで“Panel on Microbiological Specification and Testing Method for Irradiated Food”が開かれ,この会議には日本からも予研の河端博士が出席している.
こうした経過をへて,1966年6月に西ドイツのカールスルーエで“The International Symposium on Food Irradiation”が5日間にわたって開催された.参加国25カ国,200名の出席で論文69を数え,現在の食品照射のすべてをカバーしていると考えて良い.筆者の1人 (梅田) がこの会議に出席したので,OECD発行の“Food hradiation”(Vol.7, No.1~2) にまとめられている会議の内容を中心に説明してみたい.

著者関連情報
© 日本食品照射研究協議会
前の記事 次の記事
feedback
Top