食品照射
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ハンガリーにおける照射食品の実用化に関する現状と将来への展望
J. Farkas
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1974 年 8 巻 2 号 p. 34-41

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抄録

ハンガリーでは,食品照射研究を始めてから15年になり,この分野の中心となって研究を推進しているのは,中央食品研究所である。当研究所には,15KCiのCo-60ガンマーセルと食品照射用のパイロットプラント (Co-60ガンマー線源,約60Kci) がある。
ハンガリーでは,すでに数種類が許可されているが,小麦の放射線殺虫の研究だけは行なっていない。この理由は,小麦の放射線殺虫の方法および経済性に関し米国,カナダフなど多くの国々ですでに行なわれており,報告も多くあり,環境条件も類似しているので再度行なう必要はないと判断したためである。しかし馬鈴薯とタマネギの発芽抑制およびAgaricus bisporus(マッシュルームの一種)の収穫後の開傘遅延の研究に関しては,首尾一貫して行なった。これらの研究結果と,公衆衛生面からのこれら照射食品の許可の現状を説明し,さらにハンガリーにおいて食品照射の実用化を阻たげている諸問題と,将来への展望についても述べてみたい。

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© 日本食品照射研究協議会
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