家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
片側の卵巣と他側の生殖管を摘出した家兎における卵子の腹腔内移行および妊娠•分娩に関する研究
佐久間 勇次石島 芳郎石田 一夫
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1964 年 10 巻 3 号 p. 69-72

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抄録

片側の卵巣と他側の生殖管を摘出した家兎を準備して排卵された卵子が他側の卵管へ移行するか否かについて試験を試みた。その結果を要約すると次の如くである。
1) 15例の供試家兎のうち11例は,片側の卵巣と他側の生殖管を摘出してあるにもかかわらず妊娠し,分娩した。また,交配しても妊娠しなかった4例中3例は卵管からいずれも1個ずつながら卵子を採取することができた。
2)交配を繰り返して妊娠しなかった家兎について,過排卵処置を行ない卵子の回収を試み,16例中6例の卵管•子宮から卵子を採取した。特にその1例は,出血点16個に対し,14個の正常な受精卵子を採取することができた。
3)生殖器の摘出後の剖検所見は,摘出は完全であり卵巣の再生はみられなかった。

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