精液に混入した細菌の抑制には抗生物質の添加は不可欠である。精液に添加する抗生物質を選択するためには, 原精液の細菌叢および希釈精液からの検出菌種とそれらの抗生物質に対する感受性を検討し, 精子の生存性および活力の維持を阻害しない添加濃度で, グラム陽性菌群と陰性菌群とにそれぞれ作用する薬剤の併用添加が望ましい。
しかしまた, 抗生物質とその耐性菌の出現は単にPCとSMだけでなく, おおかたの抗生物質においても早晩生じる問題であり, 薬剤添加以前の課題として採精前に十分な包皮腔洗浄を行ない, まず原精液の細菌汚染度をできるだけ低減させるたとが重要である。