家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
Gonadotrophinによる排卵誘起反応における皮下,腹腔内および静脈内注射間の鋭敏度の比較
V.4CSマウスとWistar-ImamichiラットにおけるPMSGの投与成績
信永 利馬高橋 和明
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1967 年 13 巻 3 号 p. 85-89

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抄録

1.PMSG投与による4CSマウスの排卵単位は静脈内投与では0.71IU,腹腔内投与では1.24IU,皮下投与では2.75IUであって,その間の鋭敏度の関係は1M.Ov.U.(S.C.) ?? 2.22M.Ov.U.(I.P.) ?? 3.87M.Ov.U.(I.V.),1M.Ov.U.(I.P.) ?? 1.74M.Ov.U.(I.V.)であった。
2.PMSG投与によるW-Iラットの排卵単位は静脈内投与では5.7IU,腹腔内投与では9IU,皮下投与では106IUであって,その間の鋭敏度の関係は1R.Ov.U.(S.C.) ?? 11.8R.Ov.U.(I.P.) ?? 18.6R.Ov.U.(I.V.),1R.Ov.U.(I.P.) ?? 1.58R.Ov.U.(I.V.)であった。
3.PMSG投与による4CSマウスとW-Iラットの排卵単位を比較すると,
1R.Ov.U.(S.C.) ?? 38.5M.Ov.U.(S.C.)
1R.Ov.U.(I.P.) ?? 7.25M.Ov.U.(I.P.)
1R.Ov.U.(I.V.) ?? 8.02M.Ov.U.(I.V.)となり,4CSマウスの方が7~39倍鋭敏であった。
4.4CSマウスと4CSマウスの改良の基礎になった系統(Original Stock)との比較:4CSマウスの方が反応曲線の角度がたちW-Iラットの反応形態に近くなり,反応が均一,かっ鋭敏となった。
5.臓器重量:4CSマウスの場合,HCG投与での成績と同様に排卵率が上昇するにしたがい子宮重量の減少する傾向が見られ,卵巣重量は排卵率の上昇にともない増加した。W-Iラットの場合もマウスの成績と同様の傾向を示した。

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