家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
13 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 橋本 和典
    1967 年 13 巻 3 号 p. 77-84
    発行日: 1967/10/05
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    精液に混入した細菌の抑制には抗生物質の添加は不可欠である。精液に添加する抗生物質を選択するためには, 原精液の細菌叢および希釈精液からの検出菌種とそれらの抗生物質に対する感受性を検討し, 精子の生存性および活力の維持を阻害しない添加濃度で, グラム陽性菌群と陰性菌群とにそれぞれ作用する薬剤の併用添加が望ましい。
    しかしまた, 抗生物質とその耐性菌の出現は単にPCとSMだけでなく, おおかたの抗生物質においても早晩生じる問題であり, 薬剤添加以前の課題として採精前に十分な包皮腔洗浄を行ない, まず原精液の細菌汚染度をできるだけ低減させるたとが重要である。
  • V.4CSマウスとWistar-ImamichiラットにおけるPMSGの投与成績
    信永 利馬, 高橋 和明
    1967 年 13 巻 3 号 p. 85-89
    発行日: 1967/10/05
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    1.PMSG投与による4CSマウスの排卵単位は静脈内投与では0.71IU,腹腔内投与では1.24IU,皮下投与では2.75IUであって,その間の鋭敏度の関係は1M.Ov.U.(S.C.) ?? 2.22M.Ov.U.(I.P.) ?? 3.87M.Ov.U.(I.V.),1M.Ov.U.(I.P.) ?? 1.74M.Ov.U.(I.V.)であった。
    2.PMSG投与によるW-Iラットの排卵単位は静脈内投与では5.7IU,腹腔内投与では9IU,皮下投与では106IUであって,その間の鋭敏度の関係は1R.Ov.U.(S.C.) ?? 11.8R.Ov.U.(I.P.) ?? 18.6R.Ov.U.(I.V.),1R.Ov.U.(I.P.) ?? 1.58R.Ov.U.(I.V.)であった。
    3.PMSG投与による4CSマウスとW-Iラットの排卵単位を比較すると,
    1R.Ov.U.(S.C.) ?? 38.5M.Ov.U.(S.C.)
    1R.Ov.U.(I.P.) ?? 7.25M.Ov.U.(I.P.)
    1R.Ov.U.(I.V.) ?? 8.02M.Ov.U.(I.V.)となり,4CSマウスの方が7~39倍鋭敏であった。
    4.4CSマウスと4CSマウスの改良の基礎になった系統(Original Stock)との比較:4CSマウスの方が反応曲線の角度がたちW-Iラットの反応形態に近くなり,反応が均一,かっ鋭敏となった。
    5.臓器重量:4CSマウスの場合,HCG投与での成績と同様に排卵率が上昇するにしたがい子宮重量の減少する傾向が見られ,卵巣重量は排卵率の上昇にともない増加した。W-Iラットの場合もマウスの成績と同様の傾向を示した。
  • 信永 利馬, 中村 勝美, 新谷 参郎
    1967 年 13 巻 3 号 p. 90-96
    発行日: 1967/10/05
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    ETO and IMAMICHI (1955) reported that ova had been observed in the oviduct inserted betweentwofold glass slides by the dissecting microscope at 20 hours after a single subcutaneous injection of HCG in a diestrous adult female rat. This finding was significant for the bioassay of gonadotrophin.
    The authors showed that the sensitivity induced ovulation by HCG was elevated in the case of intravenous injection, as a result of comparison between s.c., i.p., and i.v. injection. Moreover, ovulation was induced 10 hours after injection of HCG (more than 2IU) and ova were observed in the oviduct 12 hours after injection.
    This report is concerned with the interval between the induced ovulation by intravenous injectionof HCG (injection being done at 4-5 PM on the day of diestrous stage) and spontaneous ovulation thereafter and with the fate of ova ovulated by HCG injection in adult rats.
    The following results were obtained.
    1) The interval between the induced ovulation and the first spontaneous ovulation thereafter (72hours) was 3 days, which was shorter than 4 days (96 hours) that is the interval between two spontaneous ovulations in the normal oestous cycle.
    2) In the ovulation induced by such an amount of HCG as sufficient to induce ovulation, no tubal ova were observed during 14 and 24 hours before the first spontaneous ovulation after the induced ovulation. In the normal oestrous cycle, no the ova by spontaneous ovulation was observed during 24 and 34 hours before the next ovulation.
    Namely, in normal-cyclic rats, ova remained in the oviduct for about 72 hours after spontaneous ovulation, and in the case of induced ovulation ova remained in the oviduct about 58 hours after the induced ovulation by HCG injection.
    3) In the first spontaneons ovulation after the induced ovulation by HCG, an ovulation-blockade by pentobarbital (nembutal) anesthesia was seen when the animal was anesthetized during a period from noon to 2 PM on the day before the ovulation, but it was not seen when the animal was anesthetized during a period from 4 to 6 PM on the day before the ovulation.
    4) In the first oestrus after the induced ovulation by HCG, the accumulation of uterine fluid was smaller in amount than in the normal proestrous stage.
    5) When examined by the vaginal smear method, the animal with the estrous cycle of induced ovulation by HCG showed stages I, IV, II, and III, but the animal in which no ovulation had occurred showed stages I, III, IV, and V in the same manner as the animal with the normal oestrous cycle.
  • 今井 倭武, 笹本 修司, 鈴木 俊郎
    1967 年 13 巻 3 号 p. 97-102
    発行日: 1967/10/05
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
  • 窪道 護夫, 猪 貴義, 鈴木 勝夫
    1967 年 13 巻 3 号 p. 103-108
    発行日: 1967/10/05
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    HCGの生物学的検定法を検討する目的で約21日令のddマウスを用いて,マウス単位標品(MU)と国際標準品(IU)について実験した結果,次の成績が得られた。
    1)HCG2.0MU皮下注射による約21日令の幼若雌マウスの卵巣黄体血点形成反応について,注射時体重別で比較したところ,体重の大小によって反応陽性率に差がみられ,8.0~8.5gと9.0gで反応陽性率の高い結果を得た。
    2)それぞれの注射時体重別における左右卵巣の黄体血点形成反応陽性率について調べたところ,その陽性率は左右卵巣間で有意差は得られなかった。したがって,HCGの検定を行なうには,左右卵巣いずれかの片側卵巣の示す反応の観察によって,その目的を達することは可能とみられる。
    3)反応陽性率の高かった8.0~9.0g前後のddマウスで0.5, 1.0, 1.5, 3.0, 4.5, 6.0, 8.0IUの用量に対する反応陽性率を求めたところ,反応陽性率は一般にホルモン用量の増加にしたがって高まる傾向が得られる。1.0IU以下では反応が低く,4.5IU以上では反応曲線は横這いを示し,0.5:1.0, 4.5:6.0, 4.5:8.0,6.0:8.0IUの関係を除く他の用量間でいずれも有意差が得られた。
  • 石橋 功
    1967 年 13 巻 3 号 p. 109-114
    発行日: 1967/10/05
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    人工昼夜の条件下に飼育した成熟ラットに,PMSおよびHCGを投与して,HCG投与後種々の時間に殺した。卵管をさいて排卵数をしらべると共に,卵巣は固定,染色して細胞学的観察を行ない,卵子の成熟と排卵の時期について検討した。
    1.無処置のラットを入工の夜の開始後8~81/2, 91/2~101/2, 111/2~141/2時間で殺したとき,排卵数はそれぞれ9.4, 10.4, 10.9コであった。
    2.HCG 25iuを投与して,投与後10(夜の開始後6時間),12(8), 14(10), 16(12)時間で殺したとき,排卵数はそれぞれ2.7, 9.0, 10.6, 11.0コであり,成熟を開始している卵巣内卵子数は,10.7, 4.4, 3.1, 2.1コであった。このことから,HCG処置ラットの卵子の成熟と排卵は,HCG投与後12時間(夜の開始後8時間)で殆ど完了するものと考えられる。
    3.HCG処置の場合と同様の時期にHCG 50iuを投与,さらに54時間前にPMS 50iuを投与して過排卵を誘起し,HCG注射後10(夜の開始後6時間),12(8), 14(10), 16(12), 18(14)時間後殺したとき,排卵数はそれぞれ1.0, 8.5, 19.2, 35.6, 46.9コであった。またこれらの時期における発育を開始している卵巣内卵子数は,それぞれ49.5, 41.7, 24.7, 7.1, 1.6コであり,10時間では47.3%(23.4コ)がtelophase Iに,12および14時間では,それぞれ82.7%(34.5コ)および87.9%(21.7コ)がmetaphase IIにあった。これらの事実から,過排卵処置ラットの排卵の時期は,無処置やHCG処置の場合よりやや遅れて,HCG投与後16時間で約80%,18時間でほぼ完了するものと考えられる。
    4.HCG処置,過排卵処置いずれの場合においても,成熟階梯の遅れていると思われる若干の卵子が観察されたが,組織学的所見よりして,これらの相当部分は排卵に至ることなく退化するであろうと考えられた。
  • 森 純一, 藤崎 尚徳, 檜垣 繁光, 細田 達雄
    1967 年 13 巻 3 号 p. 115-121
    発行日: 1967/10/05
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    LHのimmunoassay法として血球凝集阻止反応の手法が応用出来るか否かを検討する目的で,LH免疫血清と牛臓器抽出液および下垂体前葉ホルモンの関係を血球凝集反応および血球凝集阻止反応によって調べた。さらに,血球感作に使用するLH量が血球凝集反応および血球凝集阻止反応の感度におよぼす影響についても検討を加えた。
    1.未吸収のLH免疫血清はLH, TSHおよびGHの感作血球と血球凝集反応を示したが,牛血清およびTSHで吸収後のLH免疫血清はLH感作血球と特異的に反応し,LH以外の下垂体前葉ホルモンおよび各種臓器(下垂体を除く)蛋白の感作血球とは反応を示さなかった。
    2.下垂体その他臓器抽出液による血球凝集阻止反応においては,下垂体抽出液のみが阻止反応を示し,その他の臓器抽出液では阻止反応が認められなかった。
    3.下垂体前葉ホルモンによる血球凝集阻止反応においては,前葉ホルモンのうちLHとTSHのみが阻止反応を示し,FSH, GH, ACTH,プロラクチンでは阻止反応が認められなかった。また,阻止反応を示したLHおよびTSHのうちTSHにおける阻止作用は,TSH標品中に來雑するLHによるものと推察された。
    4.血球凝集反応は0.2μg/ml以上のLH濃度の溶液で血球を感作した場合に成立し,その濃度が0.2~50.0μg/mlの範囲では濃度と血球凝集反応の感度との間に一定の傾向が認められなかった。
    5.血球凝集阻止反応の感度は,血球感作に使用するL且溶液の濃度が0.2~50.0μg/mlの範囲では,濃度の増加に従って低下する傾向が認められた。
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