家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
胎盤性性腺刺激ホルモンの生物検定に対するddマウスの最小有効数について
窪道 護夫猪 貴義鈴木 勝夫
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1968 年 14 巻 2 号 p. 53-59

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抄録

HCGに対するddマウスの子宮重量反応,卵巣黄体血点形成反応による生物学的力価検定において,ddマウスの最小有効数を検討した結果,次の成績を得た。
1)HCGの0.5, 1.0, 1.5, 3.0, 4.5, 6.0IUの用量に対して,1用量あたり5, 10, 15, 20, 25, 30,35, 40, 45, 50匹を用いマウスの数と反応値の関係を子宮重量反応では標準誤差と95%信頼巾,卵巣黄体血点形成反応ではX2一検定と95%信頼限界巾で検討したところ,子宮重量反応では,5,10匹での信頼巾は著しく大きいが,15,20匹となると,その値は小さくなり,それ以上マウス数を増加しても増加したわりには,その値は小さくならなかった。卵巣黄体血点形成反応では30匹を用いると130匹の示す反応値に近い値を示すことが認められた。
2)1)の結果から子宮重量反応について1用量15,20匹を用い1.5, 3.0, 6.0IUの用量で6点法検定を検討した。15匹群では4回中4回,試験は成立したが,力価比,95%信頼限界はかなりの巾を示した。20匹群では4回中4回,試験は成立し,力価比,95%信頼限界は一定の範囲内にある成績が得られた。
卵巣黄体血点形成反応について1用量15,30匹を用いて1.5, 3.0IUの用量で4点法検定を検討した。両群4回とも平行性は成立したが,誤差の信頼限界は15匹群では大きく,30匹群では一定の範囲にある成績が得られた。
以上の成績から,マウス子宮重量反応,卵巣黄体血点形成反応は最小有効数とみられる1群20~30匹を用いることによりHCGの生物学的力価検定法として用いられるものとみられる。

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© 日本繁殖生物学会
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