家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
Wistar-Imamichiratの性周期(4日)ならびにこれに伴う生理学的諸現象に関する基礎的検討
III.性周期の時間経過とHCGの排卵誘起に対する鋭敏度の関係
中村 勝美小島 操信永 利馬
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1968 年 14 巻 2 号 p. 47-52

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抄録

4日性周期のラットにおいて,HCGの単一静脈内投与による排卵誘起反応に対し投与時刻がどのように影響するかについて,性周期の経過に伴う反応の鋭敏度の変化の検討を行なった。
1)HCGによる排卵の誘起はIV期の午前0時が最も起こりにくく,IV期の午前9時,午後4時と急速に排卵されやすくなり,V期においては投与時刻による排卵誘起力にほとんど差異はなかった。しかしながら1期に至り再び鋭敏度を増す傾向が認られた。
2)排卵充分量のHCG投与の場合の排卵数は,V期の日における午前9時以後の投与ではほとんど差異はなく,自然排卵に近い値を示した。
3)成熟ラットを用いたHCGの単一静脈内投与による排卵誘起試験においては,V期の日の午前9時から午後4時の間の投与であれば,とくに投与時刻を考慮する必要を認めなかった。

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