家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
過排卵家兎卵子の受精能力保持時間の検討
石島 芳郎伊藤 雅夫東 泰弘
著者情報
ジャーナル フリー

1969 年 15 巻 1 号 p. 29-31

詳細
抄録

過排卵誘起家兎の卵子の受精可能時間を,HCG注射後8,10,11,12,13,14および15時間の各時間に交配させることにより検討した。その結果,1)受精卵を持った個体の割合は,HCG注射後12時間の交配まで100%,それ以後80,75,60%と低下した。2)回収卵子の受精率は,各時間それぞれ80.0,91.7,82.4,74.3,25.2,23.0および15.8%で,12時間を境に以降急激に低下した。3)異常卵子(分割異常および退行卵子)の出現率は,それぞれ0,5.0,14.3,6.3,42.4,82.1,87.5%で,13時間以降急激に増加した。以上のことから過排卵家兎においては,排卵誘起処置後(HCG注射後)12時間までに交配させないと受精しにくくなり,たとえ受精された卵子でも正常な発育がみられないことが明らかとなった。

著者関連情報
© 日本繁殖生物学会
前の記事 次の記事
feedback
Top