家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
15 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 石橋 功
    1969 年 15 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1969/06/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 幸男
    1969 年 15 巻 1 号 p. 8-13
    発行日: 1969/06/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    著者はさきに考案した牛の子宮頸管粘液(CM)の電気抵抗度の(ER)測定器1)の摺動距離を変えて実験を行なったが,授精時採取したCMのER値が既報1)の成績からほぼ正常値と考えられる(標準偏差内)ものは,NaCl濃度約0.7~0.9%のER値に相当した。この範囲から逸脱したR指数46(0.6%NaCl水溶液の示す抵抗値)を示す牛が,今回の実験では68頭中3頭みられた。従って,今後同型のER測定器を作る場合でも,NaCl濃度0.7~1.0%の示す実測R指数値を受胎率などからみて正常な牛の発情CMのER値と考えてCMの測定を行なうことができる。
    今回の全例の受胎成績は50.7%で既報1)(48.1%)より優れていた。これはCMのERの異常なものが少なかったためと考えられる。ERが正常範囲の牛の受胎成績は51.6%で既報の58.4%よりはやや劣っていた。CMのER値がNaCl0.7%に相当する場合の受胎率は最もよく(69.5%),NaCl0.8%相当の場合がこれに次ぎ(46.9%),0.9%および0.6%では受胎率は低下した。この成績は既報1)と同様であり,ER値を測定することによってCMの異常牛を除くことにより受胎率を向上させ得ることを追認した。
    性周期CMのER値は,発情期に最低で,排卵後直ちにER値は高くなる。そして,黄体最盛期は最も高く,黄体の退行あるいは,卵胞の発育と共に再びER値は低くなる。このようにCMのER値は,黄体の消長あるいは卵胞の発育と密接な関係のあることを認めた。
  • 窪道 護夫, 猪 貴義, 鈴木 勝夫, 花木 琢磨, 山本 文陸郎
    1969 年 15 巻 1 号 p. 14-24
    発行日: 1969/06/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    ウマ血清中PMSGの赤血球凝集抑制反応(HAIRと略)による測定の可能性およびHAIRによるウマの早期妊娠診断の野外応用について検討した結果,次の成績を得た。
    1.ウマ血清中のPMSG蛋白と非特異反応物質をメタリン酸-アルカリ中和法で分画分離した。このPMSG蛋白分画でPMSG感作血球によるHAIRは成立した。この方法においてPMSGの生物活性はほぼ定量的に回収された。
    2.PMSGに対する各抗原,抗血清との交叉HAIRにおいてPMSGと抗PMSG,抗ESとの抗原抗体反応がみられた。これは体液由来の蛋白質がホルモン蛋白物質の中に不純蛋白質として共存していることを示しているとみられる。
    抗PMSG中の抗ES因子は,雄ウマ凍結乾燥血清との反応によりPMSGと抗PMSGの抗原抗体反応系から除去された。交叉HAIRおよびホルモン活性中和試験において特異的にPMSGと抗PMSGの反応が成立しHCG,ES,HS,NRSとの反応は認められなかった。
    3.PMSGのHAIRと生物反応を比較したところ,よく一致する結果を示すことが認められた。
    4.ウマの妊娠経過に伴う血清中PMSGの消長についてHAIRにより検討した結果,血清中PMSGの証明される時期は個体によって差異がみられるが,授精後30日以前においては血清PMSG価は得られなかった。しかし,その後漸増し,60~90において最大値を示したが,妊娠期の進むに伴い激減し,140日以降においては各ウマともPMSG価は得られなかった。しかしながら,個体による差異はかなり大きい。
    5.血清PMSGのHAIRによる早期妊娠診断の可能性について野外応用試験を行ない,生物反応と比較した結果,生物反応陰性のウマ血清はすべてHAIRは陰性であった。生物反応陽性とHAIR陽性は92.4%の高い一致率を示したが,7.6%はHAIR疑陽性または陰性を示した。この原因に関しては個々のウマを診察することが必要であるとみられる。
  • 窪道 護夫, 猪 貴義, 鈴木 勝夫
    1969 年 15 巻 1 号 p. 25-28
    発行日: 1969/06/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    PMSGのマウスによる生物学的測定法を検討する目的で,約21日令のdd-幼若雌マウスを用い,PMSG 10I.U.1回皮下注射の場合について生殖腺反応の経時変化と至適解剖時間について検討した。得られた結果は次のとおりである。
    1)PMSG10I.U.1回皮下注射によるdd-マウスの生殖腺反応は72~96時間で高まり,以後,時間の経過とともに激減した。とくに120時間後の卵巣,子宮重量の減少は著しく,PMSGの生物学的作用期間はdd-マウスではほぼ120時間とみられる。
    2)PMSGに対する出血 ?? 胞黄体形成反応,子宮重量反応において高い反応値を示した72時間,96時間の反応値について比較検討した結果,96時間は72時間値に対して反応値は有意に高く,均一性であることが認めちれた。
  • 石島 芳郎, 伊藤 雅夫, 東 泰弘
    1969 年 15 巻 1 号 p. 29-31
    発行日: 1969/06/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    過排卵誘起家兎の卵子の受精可能時間を,HCG注射後8,10,11,12,13,14および15時間の各時間に交配させることにより検討した。その結果,1)受精卵を持った個体の割合は,HCG注射後12時間の交配まで100%,それ以後80,75,60%と低下した。2)回収卵子の受精率は,各時間それぞれ80.0,91.7,82.4,74.3,25.2,23.0および15.8%で,12時間を境に以降急激に低下した。3)異常卵子(分割異常および退行卵子)の出現率は,それぞれ0,5.0,14.3,6.3,42.4,82.1,87.5%で,13時間以降急激に増加した。以上のことから過排卵家兎においては,排卵誘起処置後(HCG注射後)12時間までに交配させないと受精しにくくなり,たとえ受精された卵子でも正常な発育がみられないことが明らかとなった。
  • 特に測定卵子数およびアミノ酸濃度の検討
    辻井 弘忠, 菅原 七郎, 竹内 三郎
    1969 年 15 巻 1 号 p. 32-34
    発行日: 1969/06/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    哺乳動物卵子の発生過程における物質代謝,特にアミノ酸代謝および蛋白質の新成を解析する目的で,ラット卵子における14C-L-Leucineの取込みの測定条件であるアミノ酸の濃度,測定卵子数,培養時間等を検討した。その結果14C-L-Leucineの濃度は0.25~2.5μc,卵子数は25~75個の間でも十分測定が可能であることが認められた。それに基づき,1-cell stage(未受精卵)50個,14C-L-Leucine 0.5μc(spec.act.0.396mci/mM)で培養時間を検討した結果,0.5時間と1時間との間に有意差が認められた。
  • 小笠 晃, 月瀬 東
    1969 年 15 巻 1 号 p. 35-37
    発行日: 1969/06/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    カタラーゼテストによって生殖器の軽度の炎症性疾患を診断することは困難であるが,生殖器の冒された部位によってはカタラーゼテストが陽性に出ることもある。
    しかし異常精液の摘発や精嚢炎,前立腺炎,尿道炎などの診断にはこのテストを実施する価値がある。なお操作も簡便であるので,日常の検査法として応用することが出来る。
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