家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
分化8-16細胞期におけるハムスター卵子の酵素組織化学的研究
石田 一夫
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1972 年 18 巻 3 号 p. 105-109

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抄録

排卵後70~76時間にみられるハムスターの分化8-16細胞卵子について,phosphatases, nonspecific esteraseおよびdehydrogenasesを組織化学的に観察し,8細胞期の卵子およびblastocystと比較した。
8細胞期の卵子において,Alk Pase活性は強く,ATPaseは中等度, Acid Paseは弱かった。Acid PaseおよびAlk Paseは細胞質に一様に分布していたが,ATPaseは細胞質周辺部に局在していた。G-6-Paseと5'Ntidaseは基質特異性がなく,存在を確認することは出来なかった。分化卵子とblastocystにおいて, AlkPaseとATPaseの活性はinner cellとtrophoblastとの間に差異はみられなかったが,Acid Paseはtro-phoblastよりinner cellに強く現われた。
Etase活性は,いずれの時期の卵子においても弱かったが,分化卵子とblastocystではinner cellよりtrophoblastにつよくみられた。
8細胞期の卵子において,MDHとLDHの活性は中等度であったが,その他のdehydrogenase活性は弱かった。分化卵子とtrophoblastにおいて, MDH,β-HbDH, LDHおよびα-GDH活性はinner cell よりもtrophoblastにつよく現われた。SDH, IDH, G-6-PDH,GDHについては,両種の細胞の間に活性のちがいはみられなかった。
この研究はVII Wold Congress on Fertility and Sterility, Tokyo/Kyoto,1971において講演した。

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© 日本繁殖生物学会
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