家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
ウシの妊娠期における尿中エストロジェンに関する研究
武石 昌敬常包 正人江 達彦
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1973 年 19 巻 1 号 p. 33-36

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抄録

1.ホルスタイン種の妊娠牛における排尿量の季節変動については夏季に最高量を認めた。また,妊娠月令による排尿量の変動は殆どみられなかった。
排尿回数は妊娠初期に多い傾向がみられ,1日の排尿回数は15時から20時の間に最も多く,0時から5時の間が最も少なかった。
2.ホルスタイン種の妊娠牛における尿中エストロジェン分画値の妊娠月令に伴う変動については,とくにE8値が妊娠月令の進むに伴い増量し,E1,17β-E2からE8への転換の増加が認められた。
また,流産牛尿中のE8値は流産の2ヵ月前から陰性値を示したことから,エストロジェンがウシの妊娠維持に重要な役割を有していることがうかがえた。
さらにエストロジェン測定における早朝尿利用の臨床的意義も明らかにされた。

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