家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
豚精漿のCO2貯留性について
番場 公雄飯田 勲
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1974 年 20 巻 1 号 p. 18-23

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抄録

家畜の中でも豚の精漿中には特に多くのCO2が貯留されている。本実験ではこの貯留CO2が振盪や加温によってどのような影響を受けるか,また, 2貯留量とpHや, Na, Kイオン含量との関連性について調べた。得られた結果を要約すると次の通りである。
1.加温や振盪操作により貯留CO2の一部が放出されるが,特に振盪によって放出は急激に促進された。
2. 振盪を開始してから約5分間は, CO2放出が特に激しく起こった。 3mlの精漿を37°Cで振盪した場合の最初の5分間には95μlのCO2放出が認められた。
3. 静置状態におけるCO2放出は徐々に起こり60分間以上続いた。
4. CO2放出に伴って,精漿pHはアルカリ側に傾いた。
5. pHが6.2~7.8のリン酸緩衝液の添加はCO2放出を促進した。
6. 精漿のpHと貯留CO2量,あるいはNa, Kイオン含量との間には,正の相関関係が認められた。

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© 日本繁殖生物学会
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