家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
乳牛の性周期に及ぼすProstaglandin Fの影響
太田 実梅津 元昭竹内 三郎
著者情報
ジャーナル フリー

1974 年 20 巻 2 号 p. 52-56

詳細
抄録

Prostaglandin F(PGF)の乳牛の性周期と受胎性に及ぼす影響について検討するために実験を行なった。PGFを性周期の9日に,7頭は子宮体に5mg,3頭は同じく子宮体に10mg,1頭は黄体側子宮角に5mg,1頭は膣に5mgをそれぞれ1.Omlの生理食塩液に溶かして注入し,次の結果を得た。
1)PGFF処置後の発情までの日数は注入部位別に子宮体,黄体側子宮角,腟でそれぞれ2.7±1.0日,.2日,2日であった。
2)子宮体に注入した10頭の黄体の大きさはPGF注入当日2.3±0.4であったものが,注入後1日で1.5±0.5cm,2日目で1.2±0.3cmと急激に退行し,黄体に代わって卵胞が発育してきた。
3)第1回発情で排卵が認められた頭数は子宮体5mg注入,子宮体10mg注入,黄体側子宮角注入,腟注入でそれぞれ4/7頭,3/3頭,1/1頭,0/1頭であった。
4)処置後第1回発情で交配したところ,排卵を認めた8頭のうち6頭が受胎した。

著者関連情報
© 日本繁殖生物学会
前の記事 次の記事
feedback
Top