家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
豚精漿の蛋白質に関する物理化学的研究
ゲル ?? 過法と殿粉ゲル電気泳動法による分画成績について
伊林 富男丹羽 太左衛門安田 泰久
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1974 年 20 巻 2 号 p. 57-61

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抄録

豚精漿蛋白における個体差,季節的変化および各副生殖腺液による差,および凍結融解に伴う変化を追求するため,Sephadex G-200によるゲル ?? 過法および殿粉ゲル電気泳動を行なったところ,つぎの成績が得られた。
1.電気泳動によって,豚精漿には16~18本のバンドが認められ,豚の個体差がバンド数および易動度の違いとしてみられた。しかし,季節および凍結による変化はとくに認められなかった。
2.ゲル ?? 過法によって,豚精漿蛋白の個体差はピークの濃度差として認められた。季節的変化については,秋期が夏期よりもピークAの濃度が高くなる傾向が認められた。
凍結融解によって,ピークAは2つに分かれる傾向が認められた。
3.各副生殖腺液の電気泳動像およびゲル炉過像をしらべた結果,精漿と精のう腺液との間には類似した成績が認められた。
一方,精巣上体尾部抽出液および前立腺液には,主にピークBとCの分画が含まれ,ピークAは精のう腺液を主体とすることが認められた。

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