HEAPのprogesterone測定法にTLCを導入し,さらに発色条件に2,3の検討を加え,これにより性周期における牛末梢血液中のprogesteroneを測定した。
progesteroneと20β-hydroxyprogesterone(20β-OHP)の分離精製はTLCを応用し,n-hexane:ethylacetate=5:2を2回,benzene:ethylacetate=2:1を1回で展開して良い結果が得られた。
20β-hydroxy steroid dehydrogenase 6μgはprogesterone 5μgを100%,10μgを87%20β-OHPに転換することを認めた。
螢光強度は濃硫酸-ethanol=3:2,10分,60°Cで最も強く,かつ安定性のある螢光が得られた。本螢光の最大波長をspectrofluorometer Hitachi MPF-2AおよびType 203で測定した結果,励起光468
nm,螢光525
nmであった。この条件において20β-OHP,の最少検出量は2.5
ngであった。
黒毛和種4頭の頸静脈血中progesteroneは実験期間を通じて各性周期においてほぼ同じ消長型を示した。progesteroneは発情期に最低値0.2~0.8
ng/m
l,黄体期(排卵後8~20日)に最高値2.6~6.2
ng/m
lを示し,次の排卵前3~5日から急激に低下することを認めた。
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