家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
Radioimmunoassayによる牛血中Progesteroneの測定
百目 鬼郁男中原 達夫山内 亮牧野 拓雄
著者情報
ジャーナル フリー

1974 年 20 巻 3 号 p. 95-100

詳細
抄録

牛血中Pの測定法としてP-3-oxime-BSAに対する家兎抗血清を使用したRIA法ならびにCPBA法,螢光法について比較し,さらに,RIA法により性周期における牛末梢血中Pの消長型を追求して次の成績を得た。
1.P-3-oxime-BSAを用いて作製した抗血清は適正希釈倍数40,000倍の高力価のものであった。本抗血清を用いて作成した標準曲線は,Pが0~400Pgの範囲においてほぼ直線(片対数目盛)を示し,0pgにおける結合率は70%以上であった。さらに,本抗血清の各種ステロイドに対する交叉反応は5α-pregnanedioneを除いて低く,Pに対する特異性はきわめて高いことを認めた。2. Pの抽出過程において,粗抽出物をクロマトを用いて精製する方法(クロマト法)ならびに,この操作をはぶいた方法(直接法)によって得られた材料についてPの測定値を比較した結果,いずれの方法においてもほぼ等しい値が得られた。
3.性周期の各時期の牛血漿について,RIA法,螢光法,およびCPBA法により測定したPの値はほぼ等しいことを認めた。
4.RIA法により延9性周期の牛血中Pの消長型を検討したところ,Pは発情期に最低値0.2~0.3πg/ml,黄体期(排卵後11~16日)に最高値3.2~5.8ng/mlを示し,次の排卵前4~6日頃から急激に低下することを認めた。

著者関連情報
© 日本繁殖生物学会
前の記事 次の記事
feedback
Top