1.乳牛の黄体由来細胞は,顆粒膜細胞の培養と同条件下において長期間にわたり継代培養が可能である。
2.移植前の黄体由来細胞は球状を呈しており,人工培養した場合は底面に付着して扁平となるが,遊離させた場合は短時間で球状となる。
3.黄体由来細胞はprolactinやHCGを添加することにより増殖が促進され,特にprolactinにはHCG以上にその作用が認められた。
4.黄体由来細胞培養液中にHCGを添加すると細胞形態が細長くなることが認められた。
5.ラジオイムノアッセイによる黄体由来細胞の継代第3代細胞の培養液中のプロジェステロンは,培養液を軽く撹拌して測定した場合には20.0ng/ml,遠沈上清中には23.1ng/mlが検出され,さらにこの細胞を継代した10代細胞培養液について同様に行ったところ,それぞれ2.9ng/ml,2.8ng/mlが検出された。また,比較のために行った顆粒膜細胞の継代第3代細胞の培養液中にも,培養液を軽く撹拌して測定した場合には4.9ng/ml,培養液を遠沈した上清中には3.8ng/mlのプロジェステロンが検出されたが,エストロジェンはいずれの場合も検出されなかった。