家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
鶏の下垂体前葉のGonadotropin.II.色々な繁殖状態にある雌鶏について
中條 誠一今井 清
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1957 年 3 巻 2 号 p. 49-51

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抄録

1.産卵,休産及び就巣の状態にあるナゴヤ及び白レグ雌鶏の前葉中GTH含量を,cephalic,caudalの各lobe別にchick assayにより検定した。
2.両lobeのacetone乾燥粉末mg当りのGTH含量は,cephalic,caudal両lobe共に休産鶏が最も多く,次いで産卵鶏であり,就巣鶏は最も少い。特に就巣鶏cephalic lobeには,GTH量の著しい減少が認められた。又,caudal lobeはcephalicより粉末mg当りGTH含量の多い傾向があり,殊にナゴヤ種で此の関係が顕著である。
3.前葉当りに含まれるGTH量は,明らかに休産>産卵>就巣の関係にある。ナゴヤ種と白レグ種の間にGTH含量の差異はない。Lobe当りの含量では,繁殖状態に伴なつてcephalicのGTH量は大きく変動するが,caudalは休産•産卵•就巣を通じて略一定のGTH量を有する。
4.従つて,雌成鶏において此等の繁殖状態の変化に伴なう前葉GTH含量の変化は,主としてcephaliclobe内のGTH量の増減に因るものである。

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