家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
3 巻, 2 号
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  • 中條 誠一, 今井 清
    1957 年 3 巻 2 号 p. 49-51
    発行日: 1957/10/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    1.産卵,休産及び就巣の状態にあるナゴヤ及び白レグ雌鶏の前葉中GTH含量を,cephalic,caudalの各lobe別にchick assayにより検定した。
    2.両lobeのacetone乾燥粉末mg当りのGTH含量は,cephalic,caudal両lobe共に休産鶏が最も多く,次いで産卵鶏であり,就巣鶏は最も少い。特に就巣鶏cephalic lobeには,GTH量の著しい減少が認められた。又,caudal lobeはcephalicより粉末mg当りGTH含量の多い傾向があり,殊にナゴヤ種で此の関係が顕著である。
    3.前葉当りに含まれるGTH量は,明らかに休産>産卵>就巣の関係にある。ナゴヤ種と白レグ種の間にGTH含量の差異はない。Lobe当りの含量では,繁殖状態に伴なつてcephalicのGTH量は大きく変動するが,caudalは休産•産卵•就巣を通じて略一定のGTH量を有する。
    4.従つて,雌成鶏において此等の繁殖状態の変化に伴なう前葉GTH含量の変化は,主としてcephaliclobe内のGTH量の増減に因るものである。
  • 山内 昭二
    1957 年 3 巻 2 号 p. 52-54
    発行日: 1957/10/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    1.産卵鶏6例,休産鶏10例の卵管各部及び子宮から材料を採取して組織学的検索を加えた。一般構造は紙面の都合で省略した(日畜会報.28,別号52頁参照)。
    2.卵管膨大部,峡部及び子宮の上皮を形成する単層繊毛円柱細胞は可逆的に杯細胞と交替するものと思われる。これは固有層中の腺胞の分泌活性と関係している如く見えるが,規則的変化を示すか否かは不明である。
    3.卵管各部及び子宮の上皮は高さがかなり変動する。部分或いは部位によつても高さが変動し,各部分に固有の高さは示されない。分泌の相による変化も明らかなものではない。一般に上皮細胞は腺胞とは別種の,固有の分泌活性を示す事が認められる。
    4.卵の下降と関連して膨大部及び峡部では,その腺胞に明らかな分泌周期が見られる。この分泌周期は規則的なもので腺胞,腺細胞及び核の全てに一連の形態学的変化が現われ,これらは周期的に繰返される。子宮における分泌相は異る様式に従うものと思われるが,或る程度これらの部分におけるものと類似する。
    5.筋層の構成は一般に不規則である。活動時の卵管では,分離した筋線維乃至筋線維束が粘膜下織に進入し,膨隆せる皺襞を支持するような傾向を示す。活性時の卵管では又筋間組織が良く発達し,ここに大形の血管及び結合織線維が豊富に見出される。
  • 森 彰
    1957 年 3 巻 2 号 p. 55-57
    発行日: 1957/10/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
  • 芦田 浄美, 杉村 克治
    1957 年 3 巻 2 号 p. 58-60
    発行日: 1957/10/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    本方法によつて肝の保有するestrogen不活化能をある程度検討し得るものと思われる。然し各個体についての定量的な価値は認められない。即ちある一定の牛群についての比較検定はなし得るものと思われる。
    ラット検定法とマウス検定法における結果を実施例について検討してみると両者に一定の共通点が認められる。J.7は他の牛に比し肝のestrogen不活化能が最も強かつたことである。
    従来繁殖領域に於いては殆んど等閑視されている乳牛の肝炎,肝硬変,脂肪肝,肝蛭,飼料中毒等の肝疾患と繁殖障害殊に卵巣疾患との関連性を究明する一つの手段として一応試みて価値あるものと思われる。
    現在私達は四塩化炭素投与によつて乳牛に人為的肝障害を惹起させ該牛の肝の生化学的機能検査と併行して本法を試み,定量的な検査法としての完壁を期しつっある。
  • 芦田 浄美, 林 光昭, 杉村 克治
    1957 年 3 巻 2 号 p. 61-64
    発行日: 1957/10/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    未経産のジャージー種乳牛5頭にestrogenとprogesteroneを投与して泌乳機能と卵巣機能及び肝のestrogen不活化能との関連性について検討した。
    両ホルモン投与終了後極めて早期に5頭中4頭の卵巣に濾胞嚢腫が誘発された。残り1頭に於いては泌乳及び濾胞嚢腫の誘発が認められなかつた。上記4頭中の3頭に於いて濾胞嚢腫発生に先立つて真性乳汁の分泌がみられ,以後泌乳の継続が認められた。この3頭の肝のestrogen不活化能は,他の2頭即ち泌乳はみられなかつたが濾胞嚢腫が誘発された1頭及び両者何れも誘発されなかつた1頭,のそれ等より比較的弱いと思われる成績が得られた(要旨ば第43回日本獣医学会に於いて発表した)。
  • 檜垣 繁光, 菅 徹行
    1957 年 3 巻 2 号 p. 65-66
    発行日: 1957/10/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    乳牛の正常性周期における血液中性ホルモンについてSZEGO & ROBERTS法によつて濃縮し,estrogen, progesteroneにつき夫々遊離形と結合形に分離して測定を行い,次の結果を得た。
    (1)Estrogenは発情期に最高(13.2~36γ/1)で其後減少し,再び黄体期(8~15日)に上昇する二頂曲線を示すことが認められた。
    (2)Progesteroneについては発情期に最も低く(0~1.3γ/cc)黄体期(5~9日)に最高(4.4~7.5γ)の曲線を示すことが認められた。
    (3)遊離形と結合形はestrogen, progesterone共に殆んど平行的に増減する傾向が認められた。
    (4)Estrogenとprogesteroneの比,即ちE/Pratioは発情期に最高の289.8であり,黄体期ではestrogenが高い時期でも,progesteroneが共に高いために低い曲線を示すことが判明した。
  • 檜垣 繁光, 菅 徹行
    1957 年 3 巻 2 号 p. 67-70
    発行日: 1957/10/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    牛の子宮頸管粘液像と血中遊離性ホルモンの関係を知るために,基礎的研究として,卵巣割去牛3頭にestroneとprogesteroneの混合ホルモンを注射した結果,estroneによつて結晶形は発現されるが,progesteroneが多い時には結晶形の発現は完全に抑制されることを知つた。
    さらに正常性周期の粘液像と血中遊離性ホルモンの関係を求めた結果は次の通りである。
    (1)大型結晶形はE値が30γ/1以上,P値が1.3γ/cc以下のときにのみ現われる。
    (2)E値が30γ以上の場合でもP値が1.7γ以上であれば中型結晶形となる。4.4γ以上では小型結晶形となる。
    (3)E値が30γ以下では結晶形は小型のもの以下であるが,P値によつても変動し,一定の傾向は認め難い。
    (4)紐状形については10例中1例を除いてP値が4.4~7.5γで,紐型 ?? ~ ?? であり1例は3.3γであつた。其他は紐型+では3.3~1.7γ,帯型では1.7~2.0ツ,雲型では1.3~0γであつた。
    (5)結晶形とestroneの関係はy=7×x,紐状形とprogesteroneの関係はy'=1.1×x'で示すことが出来る。
  • 本間 運隆, 富田 武, 大川 隆徳
    1957 年 3 巻 2 号 p. 71-72
    発行日: 1957/10/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
  • 本間 運隆, 富田 武, 大川 隆徳
    1957 年 3 巻 2 号 p. 73-74
    発行日: 1957/10/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
  • 尾川 昭三, 鈴木 善祐
    1957 年 3 巻 2 号 p. 75-77
    発行日: 1957/10/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
  • 尾川 昭三, 鈴木 善祐
    1957 年 3 巻 2 号 p. 78-80
    発行日: 1957/10/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 保一郎, 西田 司一
    1957 年 3 巻 2 号 p. 81-83
    発行日: 1957/10/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    この実験は,BAILEYが野鳥において主張した,精管膨大部が哺乳類の精嚢腺と相同である,という仮説を鶏について形態学的な検討を主体としたものであるが,尚睾上体の形態学的考察も哺乳類の相当部位との関連において行つたものである。この実験により得られた結果は次の通りである。
    1.精管膨大部の上皮細胞の細織学的検索の結果は,鶏においては該部上皮細胞中に分泌顆粒若しくは哺乳類精嚢腺に見られるhallow-like areaなどと類似を示す如き知見は何も得られなかつた。従つてBAILEYの野鳥において認めた精嚢腺に似た組織は鶏においては認められなかつた。
    2.本実験に用いた範囲の材料では,男性ホルモンに対する副生殖腺,特に精管膨大部の反応は正常幼雛の10,30,45日令の間では45日令のものに,又去勢若雛においては注射7日後のものに夫々最大の反応が認められた。
    3.本実験の結果の検討から,哺乳類に必要な副生殖腺が,鳥類においても亦必要であるとして,膨大部を強いて精嚢腺と相同な器管或は部位と仮定することに疑問がある。
    4.睾上体の構造は,睾丸網,輸出小管及び睾上体管の3部より成り,これらは睾丸側より外側へ夫々層をなして存在し,GRAYの報告と全く一致した。
    しかし,trypanblue,india inkの注入後に見られた睾上体の色素の摂取態度から,鶏睾上体も或種の哺乳類で認められている様な水分再吸収其の他に関連した部位に分れていると思われる。
  • 川瀬 武三郎, 神谷 誠優, 福崎 忠敏
    1957 年 3 巻 2 号 p. 84-86
    発行日: 1957/10/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    山羊を供試動物として実施した以上の実験によつて黄体ホルモンは子宮頸管粘液のヂエリー化を起す作用を有し,その注射量を増すに従つてヂエリー化が強化され,妊娠子宮頸管粘液と同様の餅様相を呈する事実から妊娠子宮頸管粘液のヂエリー化は主として妊娠時に分泌せられる黄体ホルモンの作用に帰せらるべきものとの結論に到達した。然しながら子宮頸管を栓塞して形成せられる妊娠時の子宮頸粘液は日と共に増量して,我々が実験的に黄体ホルモン注射で形成せしめた場合に比し,量的に格段の差があり極めて顕著に子宮膣部を覆うに至るほど多量である事実は更に妊娠に起因する他のホルモンの協同作用があるのではなかろうかとの推量を残さしめるのである。
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