抄録
山羊を供試動物として実施した以上の実験によつて黄体ホルモンは子宮頸管粘液のヂエリー化を起す作用を有し,その注射量を増すに従つてヂエリー化が強化され,妊娠子宮頸管粘液と同様の餅様相を呈する事実から妊娠子宮頸管粘液のヂエリー化は主として妊娠時に分泌せられる黄体ホルモンの作用に帰せらるべきものとの結論に到達した。然しながら子宮頸管を栓塞して形成せられる妊娠時の子宮頸粘液は日と共に増量して,我々が実験的に黄体ホルモン注射で形成せしめた場合に比し,量的に格段の差があり極めて顕著に子宮膣部を覆うに至るほど多量である事実は更に妊娠に起因する他のホルモンの協同作用があるのではなかろうかとの推量を残さしめるのである。