家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
ラットにおける排卵数の決定機構に関する研究
IV. 排卵数決定についての卵胞ホルモンの作用
豊田 裕
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1962 年 8 巻 2 号 p. 55-57

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抄録

正常周期を示す動物に対し,発情期,発情休止期前半または休止期後半に卵胞ホルモンを投与し,休止期後半または発情前期に十分量の胎盤性性腺刺激ホルモンを単一注射して誘起排卵数を検査した。その結果,(1)発情期に卵胞ホルモンを投与すると排卵は殆んど完全に抑制されるが,休止期前半の投与では,排卵数が多少減少するのみで完全には抑制されず,休止期後半では全く抑制は認められなかった。(2)休止期前半に片側去勢を行い,同時に卵胞ホルモンを投与したところ,排卵数の代償的増加は抑制された。
以上の結果から,排卵可能な卵胞の発育にとって卵胞ホルモンは重要な働きをなし,排卵数決定の重要因子であることが察知された。

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© 日本繁殖生物学会
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