抄録
妊娠期間を通じて牛胎子に存在するα-Fetoprotein(以下AFP)は,分子量および等電点がAlbuminやTransferrinと類似しているため,容易に精製しえないい。そこで新しいアフィニティークロマトグラフィーであるDEAE Affi-Gel Blueと,等電点で蛋白を分離するChromatofocusingの組み合せによって,牛AFPを迅速かつ簡便に精製しようとした。牛胎子血清を材料として,まずDEAE Affi-Gel Blueにより,0.02 MK2HPO4および0.02-0.4MK2HPO4での濃度勾配で溶出を行なった。次いで,AFPの多い分画をあつめ, pH4.0~5.0の間でPolybuffer74によってChromatofo-cusingによりAFPを更に精製した。これら2方法の分画操作によって牛AFPが精製されたが,胎子血清中のAFPに対する回収率は,わずか約10%であった。本研究で精製されたAFPを抗原として,家兎に免疫することにより,牛AFPのみに特異的な抗-牛AFP抗体が産生され,牛AFPが純粋な状態で精製されていることが明らかとなった。