抄録
発情日の午前0時に摘出したハムスターの卵巣を,シャーレ内の培養液中に置いた金網台に載せて液面培養し,培養液に平滑筋刺激剤を添加して,排卵におよぼす影響を調べた。
アセチルコリン,ヒスタミン,ノルエピネフリン,オキシトシン,プロスタグランジンF2αは,摘出平滑筋の収縮を誘起するに十分な濃度でも排卵を促進しなかった。検査した筋収縮剤のうち,セロトニンだけが排卵を促進した。セロトニン拮抗剤であるメチサージッドは,セロトニンで刺激された排卵と自発性排卵をともに抑制した。
これらの結果は,ハムスター成熟卵胞の排卵過程において,卵胞膜を構成する蛋白質の分解に続いて,セロトニンの平滑筋収縮作用が関与することを示唆する。