日本繁殖生物学会 講演要旨集
第106回日本繁殖生物学会大会
セッションID: P-90
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性周期・妊娠
ウシ子宮内膜間質細胞を用いたISG15およびIDO1遺伝子上流配列のインターフェロン応答性の解析
*越 勝男古澤 軌徳永 智之木崎 景一郎橋爪 一善
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抄録

【目的】ウシ胚は,妊娠16日頃から,妊娠認識物質としてInterferon tau (IFNT)を分泌することが知られている。しかし,現在のところ,簡便に利用できるバイオアッセイは存在しない。我々はアッセイ系の確立のため,IFN応答性遺伝子であるISG15 ubiquitin-like modifier (ISG15)およびindoleamine 2,3-dioxygenase 1 (IDO1)の上流配列についてIFN応答能を検証した。
【方法】排卵後1–4 日の黒毛和種ウシ子宮内膜から樹立した線維芽細胞 (間質細胞)を遺伝子導入に用いた。ルシフェラーゼ遺伝子上流にウシISG15およびIDO1上流配列 (-1127–+75,-1275–+24)およびその欠失配列を組込んだベクターを作成し,細胞に導入した。培養液に組換えウシIFNT,IFNαもしくはIFNγを添加し,12時間培養後,発光量の変化を検討した。
【結果】 ISG15上流配列導入細胞では,全てのIFNに反応し発光量が上昇した。このうちISG15 (-1127–+72)を導入した場合が最も発光量が高く,-1127–-528 間の欠失により発光量は減少した。一方,IDO1 上流配列を導入した細胞ではIFNγ添加時に,特異的な発光を認めた。その発光量は-1275–-346 および-212–-183 間の欠失により減少した。これらの結果より,ウシISG15ではInterferon-stimulated response element (ISRE) (-74–-87および-80–-93)およびISRE類似配列 (ISRE like element) (-843–-856)がIFNT,IFNαおよびIFNγの応答に,IDO1ではISRE (-106–-119)およびISRE like element (-192–-205および-493–-506) がIFNγの応答に関与していることが示唆された。

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© 2013 日本繁殖生物学会
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