日本繁殖生物学会 講演要旨集
第113回日本繁殖生物学会大会
セッションID: P-100
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ポスター発表
野生由来異種マウスを用いたES細胞の樹立とキメラマウスの作出
*持田 慶司廣瀬 美智子長谷川 歩未三浦 健人渡邉 奈穂美井上 貴美子水野 沙織吉木 淳小倉 淳郎
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抄録

生殖補助技術の適用が困難な野生由来の異種マウス系統について,ES細胞株樹立による長期的保存の取り組みを継続的に進めている。最終的には胚盤胞補完法等による各マウス系統の復元を目標としており,今回はES細胞の樹立および異種間キメラマウス作出成績について報告する。【材料と方法】マウス:実験用マウス(M. m. domesticus)とは異種の M. spicilegus(ZBN/MsおよびSPI/TUA系統),M. spretus(SPR2系統)を用いた。ES細胞株の樹立:体外受精で得られた胚盤胞をフィーダー細胞(マウス胎仔線維芽細胞)上に播種し,15%KSR,LIF,2i(CHIR99021, PD0325901)の培地で培養後に増殖した内部細胞塊をピックアップし,継代して樹立を行った。キメラマウスの作出:ICR系統の2倍体の8細胞期胚と2倍体および4倍体の胚盤胞へそれぞれES細胞を注入した。更に2倍体および4倍体の8細胞期胚への凝集法も併せて行った。【結果】ZBNおよびSPI系統は,体外受精で得られた前核期胚を卵管移植しICR系統の体内で発生させた20個と5個の回収胚盤胞からそれぞれ6および4ラインのES細胞株が樹立できた。更にICRの2倍体胚へES細胞を注入して胚移植を行ったところ,各系統65%(58/89)と68%(66/97)の胚が着床して27匹と13匹の産子が得られ,そのうち4匹と6匹が毛色により異種間キメラマウスと判定された。4倍体胚への注入および2倍体胚を用いた凝集法では生存産仔が得られなかった。現在,得られたキメラマウスについて,生殖系列への分化能を確認中である。更にSPR2系統は,自然交配で得られた胚盤胞24個から6ラインのES細胞株を樹立できたことから,染色体検査および雌雄判定,多分化能の確認の後にキメラマウス作出を進める予定である。

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