日本繁殖生物学会 講演要旨集
第113回日本繁殖生物学会大会
セッションID: P-18
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ポスター発表
ストレス性卵巣機能障害に対するコーヒーチェリー残渣の改善作用
*川添 大, 李 珍珍, 安井 貴之, 國府 大智, 宮崎 均
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抄録

【背景・目的】牛,豚などの家畜では,夏季の気温上昇に伴う受胎率の低下や,乳房炎に罹患した乳牛の卵巣機能障害が報告されている。こうした家畜の生殖障害を,安全で安価な食で改善できればその意義は大きい。しかし,ストレス性生殖障害に対する食成分による改善の評価系はこれまで存在しなかった。当研究室では,マウスおよびブタ卵巣顆粒層細胞を用いこの評価系を構築した。本研究で用いるコーヒーチェリー残渣(CC)は,この評価系を用い精巣機能障害に対する改善効果が明らかとなっているが,卵巣への効果については不明である。本研究では,ストレス性卵巣機能障害に対するCCの改善効果,及びその作用機序を明らかにすることを目的とした。【方法】実験には8~10週齢雌マウスおよびブタ初代培養顆粒層細胞を用いた。マウスへのストレスとして夏季を模擬した暑熱ストレス(35℃で飼育),及び乳房炎を模擬したリポポリサッカライド(LPS)の腹腔投与を行った。CCは粉末飼料に混合し給与した。卵巣の機能評価は,排卵卵子数と発情周期を指標とした。顆粒層細胞を用いた実験では,CC抽出液で24 h前処理した顆粒層細胞に酸化ストレスとしてH2O2を添加し,18 h後の細胞生存率をトリパンブルー染色法にて測定した。【結果・考察】発情周期は,室温飼育で4.6日であったのに対し,暑熱ストレス負荷により10.0日に遅延した。しかし,CC投与で4.9日とほぼ完全に改善された。排卵卵子数は,LPS投与で59.3個から10.7個に有意に減少したが,CCを予め給与することで,43.8個までその減少が有意に抑制された。また,卵巣における抗酸化酵素の発現量がCCの給与で増加すること,H2O2添加で76%まで低下した顆粒層細胞の生存率が,CCの前処理で改善されることも明らかとなった。これらの結果は,暑熱及び炎症ストレス依存的な卵巣機能障害を,CCが顆粒層細胞での抗酸化酵素の発現増加等によって予防・改善可能であることを示すものである。

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