日本繁殖生物学会 講演要旨集
第113回日本繁殖生物学会大会
セッションID: P-21
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ポスター発表
トリプシン振盪培養法により単離されたブタ精原細胞でのITIH遺伝子の発現
増田 英晃保坂 謙富田 郁夫濱野 光市*高木 優二
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抄録

【目的】我々はこれまでに,Muse細胞の単離方法を参考にして,幼若ブタの精巣細胞をトリプシン液中で10時間攪拌インキュベーションすることにより95%以上の純度で精原細胞を単離できることを,免染およびOct4,VASA,GFRα1,PLZF,UCHL-1など精原細胞や幹細胞マーカー遺伝子の発現量で確認した(WCRD2017)。さらに精原細胞から精子まで様々なステージの生殖細胞と様々な体細胞が含まれる成熟ブタ精巣でも,同手法の修正により精原細胞のみを単離できることを報告した(繁殖生物学会,2018年)。また単離された幼若ブタ精原細胞のマイクロアレイとGO解析により,トリプシン振盪培養法により得られた精原細胞は,エンドペプチダーゼインヒビター,リン脂質輸送関連の遺伝子群の発現が高いことを報告した(繁殖生物学会,2019年)。本研究ではエンドペプチダーゼインヒビターの中でも特にInter-alpha-trypsin inhibitor heavy chain(ITIH)遺伝子が高発現していることを確認したので報告する。【方法】幼若ブタ精巣をパパイン酵素により精巣細胞を分散さて,精巣細胞懸濁液を得た。精巣細胞を試験管に入れ0.25%トリプシン液中で37℃振盪しながらインキュベートすることにより精原細胞を得た。得られた細胞よりRNAを採取しqRT-PCRによりITIH遺伝子をはじめ精原細胞や幹細胞マーカー遺伝子の発現量を調べた。【結果】トリプシン振盪培養で単離された精原細胞のITIHの発現量は,処理前の精巣細胞に比べ10倍以上高かった。ブタ精原細胞特異抗体PSS1と磁気ビーズで単離した精原細胞においても同様に発現が高かった。ITIHはビクニンと結合しプロテアーゼインヒビター活性を示すとともに,ヒアルロン酸とともに細胞外マトリックスの形成に関与していることが知られており,ブタ精原細胞の特異的な糖鎖構造にITIHが関与していることが推察された。

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