日本繁殖生物学会 講演要旨集
第113回日本繁殖生物学会大会
セッションID: P-30
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ポスター発表
齧歯類動物の精子超活性化運動へのトリプトファンの影響
*藤ノ木 政勝
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抄録

【目的】哺乳類精子は受精能獲得をすると運動の超活性化を示す。演者は,これまでメラトニン(Mel)と5-HTにより超活性化が惹起される事を示してきた(Fujinoki 2008; 2011, Sugiyama et al., 2019)。Melは5-HTを経てトリプトファン(Trp)から産生されるので,Trpが超活性化に影響を及ぼさないか検討した。【方法】モデル動物としてシリアンハムスター,マウス(ICR),ラット(Wistar-Imamichi)を用いた。精子は精巣上体尾部より採取され,mTALP溶液に懸濁,通常の培養環境下で受精能獲得を起こされた。この間の運動をビデオ顕微鏡で記録し解析した。Trpは懸濁時に添加した。【結果】L-Trpを終濃度1 fM~10 mMで添加して精子を培養したところ,ハムスターでは100 nMと1 mMで,マウスでは100 pM~10 mMで,ラットでは1 mMと10 mMで超活性化が惹起した。次に異性体のD-Trpを作用させたところ,超活性化の惹起は起こらなかった。【考察】5-HTとMelは共にTrpから産生されるが,今回元の物質であるTrpに精子超活性化運動を惹起する作用があることが分かった。ヒト精子で5-HTのautocrineの可能性が示唆されており(Jiménez-Trejo et al., 2012),今後検討していきたい。

【参考文献】Fujinoki M (2008) Reproduction 136: 533–541.Fujinoki M (2011) Reproduction 142: 255–266.Jiménez-Trejo et al., (2012) Reproduction 144: 677–685.Sugiyama et al., (2019) J Reprod Dev 65: 541–550.

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