日本繁殖生物学会 講演要旨集
第113回日本繁殖生物学会大会
セッションID: P-31
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ポスター発表
ブタ精子でのFull-type Hyperactivationの発生制御におけるカルモジュリンの役割
和田 篤士*原山 洋
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抄録

【目的】哺乳類の精子が卵と受精するためには,精子はFull-type Hyperactivation(F-HA)を示すことで強い推進力を獲得しなければならない。F-HAの発生にはCa2+シグナル伝達経路の活性化が必要であるが,その詳細には不明な点が多い。本研究では,ブタ精子でのF-HAの発生制御に機能するCa2+シグナル伝達経路の一端を解明する目的で,ブタ精子においてカルモジュリン(CaM)を検出し,ついで体外でのキャパシテーションおよびF-HAの誘起に及ぼすCaMアンタゴニスト(W7)の影響を観察した。【方法】ブタ射出精子を洗浄後にウェスタンブロッティング(WB)および間接蛍光抗体法に供してCaMを検出した。また精子をW7含有のキャパシテーション・F-HA誘起用培養液中でインキュベートすることでF-HAの発生制御へのCaMの関与の有無を,CMOSカメラで撮影した精子鞭毛運動の顕微鏡動画を観察することで検討した。またキャパシテーション状態のマーカー(精子タンパク質のチロシンリン酸化状態)をWBにより調べ,キャパシテーション状態に及ぼすW7の影響を観察した。【結果】ブタ射出精子のCaMは17 kDaのタンパク質で,鞭毛の中片部と主部,および頭部の後先体部に分布していた。ブタ精子をキャパシテーション・F-HA誘起用培養液中で180分間インキュベートすると,約25%の精子でF-HAが誘起された。培養液にW7(10~50 µM)を添加すると運動率に有意な変化は認められないが,F-HA率はW7の添加濃度に依存して有意に低下した。なお,インキュベーション180分後の精子でのタンパク質チロシンリン酸化状態にW7添加による大きな影響は認められなかった。以上の結果から,ブタ精子においてCaMはキャパシテーション状態の制御には影響しないが,F-HAの発生制御に関与する可能性が示唆された。

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