日本繁殖生物学会 講演要旨集
第113回日本繁殖生物学会大会
セッションID: P-33
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ポスター発表
マウスを用いた雄の夏季不妊評価系の構築
*中原 優一大葉 椋介張本 恵美國府 大智宮崎 均
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抄録

【目的】夏季の暑熱ストレスによる家畜の生殖機能障害,いわゆる夏季不妊が大きな問題となっている。これは暑熱ストレスが体内で活性酸素種を生じさせ,酸化ストレスレベルが上昇したことによると考えられる。本研究室では,上記の問題に対し,食による予防・改善が有効であると考え,雄マウスの下腹部に湯浴による暑熱ストレス負荷を行い食成分の効果を検討してきた。しかし,これまでの実験系では畜産の現場を模した夏季不妊評価系とは言い難い。そこで本研究では,マウスを35℃の環境下で飼育し,経日的な暑熱ストレス処理が雄性生殖機能へ与える影響を検討し,新たな夏季不妊評価系を作出することを目的とした。【方法】8週齢雄ICRマウスを35℃のチャンバー内に入れ,(1)0~7日間毎日解剖を行い,精子運動パラメータ,精巣重量,精巣DNA断片化,精巣酸化ストレスレベルの評価を行った。(2)0,1,3,5,7日間飼育後,常温にて雌マウスと1:1で交配(5日間共存)させ生存産仔数を測定した。また,常温(対照群)と暑熱下でそれぞれ6日間飼育した雄マウスに関しても同様の実験を行った。【結果】マウスに35℃の暑熱ストレス処理を行った結果,各速度パラメータや精巣重量は経日的に低下し,精巣DNA断片化は3日目以降で検出された。また,6日目以降で暑熱ストレスによる精巣酸化ストレスレベルの上昇傾向が見られた。0,1,3,5日目に関して,受胎率や生存産仔数に大きな差は無かったが,7日目で受胎率が0となりストレス過多であることが分かった。そこで,6日間の暑熱ストレス処理を行った雄マウスを交配させた結果,対照群と比較し受胎率に大きな差はなかったが,生存産仔数が有意に低下した。以上より,雄マウスに暑熱ストレス処理を35℃で6日間行うことで,各種パラメータの低下や精巣DNA断片化,精巣酸化ストレスレベルの上昇,生存産仔数の低下のすべてが確認されたため,本実験系を新たな夏季不妊評価系として用い,食成分による夏季不妊の予防・改善効果を検討していくこととする。

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