日本繁殖生物学会 講演要旨集
第113回日本繁殖生物学会大会
セッションID: P-48
会議情報

ポスター発表
青色LEDライト照射による胚の酸化ストレスを軽減させるためのピルビン酸塩の至適濃度
*小原 実穂BAPARY Mohammad Abu Jafor大村 知幹高野 淳一朗三輪 操花永井 泰山海 直
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】体細胞への青色LEDの照射により,細胞内の活性酸素(ROS)を増加させ,DNAにダメージを与えることを示してきた(Cell Bio. Int., 2019)。胚においては発生が停止するが,培地に含まれるピルビン酸塩(Na-Pyr.)の抗酸化作用が光毒性を軽減することが考えられる。今回,Na-Pyr.の濃度を検討しその機序について考察した。【方法】マウスの卵管から2細胞期胚を採取して37℃,5%CO2条件下で培養した。培地にはCZBを用い,培養時にインキュベーター内に設置したLED照射装置を用いて波長450 nmの青色LEDを照射した。照射時間は6–24時間とし,その後の発生状況について観察した(実験1(コントロール))。LEDを24時間照射した培地を用いて胚の培養を試みた(実験2)。また,LEDを12および18時間照射している間,培地を3時間おきに交換し発生状況を観察した(実験3)。さらに,18時間照射の条件で,Na-Pyr.濃度0.27 mMを基本とし,2から5倍濃度の培地を作成し発生について比較した(実験4)。【結果および考察】実験1:LED非照射の胚の発生率94.4%に対し,6,12,18および24間照射したときの発生率はそれぞれ86.7,53.8,8.5および0%であった。実験2:24時間照射した培地で培養したところ98.5%の発生を認めたことから,青色LEDは培地を介さずに卵の活性酸素を上昇させることが示唆された。実験3:12および18時間照射している間,3時間おきに培地を交換することで83.3および95.4%と高率に胚は発生した。このことからNa-Pyr.が3時間以上の照射で失活あるいは枯渇することが示唆された。実験4: Na-Pyr.濃度を2,3,4および5倍濃度にすることで49.1,44.3,47.2および33.0%と1倍濃度の発生率8.5%より改善された。すなわち,濃度を上げることでNa-Pyr.の失活あるいは枯渇を防いで光毒性を抑制すると考えられた。

著者関連情報
© 2020 日本繁殖生物学会
前の記事 次の記事
feedback
Top