日本繁殖生物学会 講演要旨集
第113回日本繁殖生物学会大会
セッションID: P-66
会議情報

ポスター発表
ウシ子宮頸管粘膜組織における妊娠時発現低下遺伝子の検出
*嶋崎 知哉窪 友瑛國井 宏樹古山 敬祐浜口 悠浅岡 那月唄 花子川原 学小川 英彦高橋 昌志
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】反芻動物では着床前の受胎産物がインターフェロン・タウ(IFNT)を分泌し,子宮内膜でIFN誘導性遺伝子群(ISGs)を誘導する。我々は,これまでにISG15などの代表的ISGsが子宮頸管粘膜組織においても妊娠18日に子宮内膜での発現に匹敵する発現増加を示すことを明らかにした。子宮頸管粘膜(CMF)のサンプリングは簡便かつ生体に対して低侵襲的であるため,この知見を基に人工授精後最初に発情が回帰する21日までの早期妊娠判定への応用が進められている。一方,ISGsを指標とした場合の判定精度を上げる際には,ウイルス感染によるIFN経路の活性化による非妊娠ISGsの増加可能性の考慮も必要であり,そのため,IFN経路に依存しない妊娠応答遺伝子の探索が必要である。我々がこれまで実施したCMFのRNAシーケンス解析では,妊娠時18日の発現上昇遺伝子の多くがISGsであった一方,妊娠時の発現低下遺伝子群にはIFNTのような共通の制御因子を持つと考えられるものが存在しなかった。そのため,本研究では子宮頸管粘膜組織における妊娠時発現低下遺伝子の検出を目的とした。【方法】人工授精(AI)実施から14,18,24日が経過したホルスタイン種乳用牛の生体からCMFを綿棒で軽くこすり取ることで採取し,AI後30日及び40日の超音波診断による妊娠診断結果より各サンプルを「非妊娠区」「妊娠区」に分別した。採取したCMFからRNA抽出およびcDNA合成を行った。これまでのRNAシーケンス解析により,妊娠18日における発現低下を示した遺伝子を複数選択し,それらについて作成したプライマーを用いてAI後14,18,24日それぞれのサンプルでリアルタイムPCRを行い各遺伝子の発現量を測定した。【結果と考察】リアルタイムPCRの結果,AI後18日の妊娠時発現低下遺伝子としてIGFBP3FOSEGR1を検出し,これらの遺伝子が妊娠判定の指標遺伝子として有用である可能性を示した。

著者関連情報
© 2020 日本繁殖生物学会
前の記事 次の記事
feedback
Top