日本繁殖生物学会 講演要旨集
第113回日本繁殖生物学会大会
セッションID: P-90
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ポスター発表
Nanos3を標的としたtriple-target CRISPR法を用いてES細胞由来の精子のみを持つキメラマウスを作出する
*三浦 健人的場 章悟廣瀬 美智子小倉 淳郎
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抄録

【目的】コンディショナルノックアウト(cKO)マウスは,組織特異的あるいは時期特異的な遺伝子のin vivo機能解析にあたり強力なツールである。しかしながら,cKOマウスの作出には,CreトランスジェニックマウスやloxPノックインマウス等の複数の遺伝子改変マウス系統を作出・維持する必要があるため,時間と労力を要する。本研究では,ES細胞に由来する生殖細胞のみを持つF0世代キメラマウスを作出することで,致死遺伝子の生殖細胞における機能の解析が可能かを検討した。【方法・結果】まず生殖細胞に必須のNanos3遺伝子を標的とした3つのguide RNA(sgNanos3)を用いるCRISPR/Cas9システム(triple-target CRISPR法)を使って,精子を欠損したF0世代マウスの作出が可能であることを確認した。次に「sgNanos3処理した胚盤胞」と「雄のGFP発現マウス由来のES細胞」を用いることにより,ES細胞由来の精子のみを有するキメラマウスが作出できることを確認した。最後に「gNanos3処理した胚盤胞」と「致死遺伝子であるDnmt3bの変異を持った雄のES細胞」を用いてキメラマウスを作出した。そのキメラマウスから得られたすべてのF1マウスは,Dnmt3b変異を有するES細胞に由来していた。【考察】以上の結果から,過去のcKOマウスを用いた報告と同様,Dnmt3bが雄の生殖細胞の分化に必須ではないことが明らかとなった。本研究で示した手法により,致死遺伝子の機能解析がF0世代で可能になることが期待される。

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© 2020 日本繁殖生物学会
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