環境技術
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研究論文
フェントン反応によるトリクロロエチレン分解の速度式推定
田熊 保彦加藤 茂小島 紀徳
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2007 年 36 巻 3 号 p. 198-205

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抄録

トリクロロエチレンによる土壌・地下水汚染が問題となっている. 本研究では, トリクロロエチレン汚染土壌浄化の一手法として化学的分解法の一つであるフェントン反応について速度論的検討を行った. その結果, 反応はトリクロロエチレン濃度に対して1次, 鉄イオン濃度に対して0.8次, 過酸化水素濃度に対して0.5次であることが分かった. 反応速度定数は0.205 (l ・mol-1) 1.3・s-1であった. また, 土壌中に多く存在する有機物質であるフミン酸存在下でも同様の実験を行った. この反応では, 反応速度次数はトリクロロエチレン及び鉄 (II) イオンに対して1次, 過酸化水素濃度に対して0.8次であり, 反応速度定数は0.865 (l ・mol-1) 1.8・s-1であった. 反応次数の違いは見られるが, 反応速度の絶対値は, 本実験の条件範囲ではフミン酸非存在下, 存在下ともに概ね同じ値であった.
フミン酸非存在下, 存在下ともに反応初期でトリクロロエチレン濃度が大幅に減少することが認められた. この時の減少量についても定式化を行い, これを含めたフェントン反応中のトリクロロエチレン濃度変化を示す式を提案した.

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© 2007 環境技術学会
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