2008 年 37 巻 9 号 p. 678-683
自然界から集積培養したコンソーシアム菌叢を利用して, 実験室的に油分解をオリーブ油やBDFに対して試みた.その結果, この菌叢の方が単独菌叢に比べて良好な油分解能を示した.また, 菌叢は保存・集積培養を2年実施しても, 油分解能は失われなかった.この菌叢で油分解を連続的に実施するためには, 窒素系の栄養 (ポリペプトン等) の補給が重要であり, 油分解の至適条件は, pH (中性) および温度 (30℃) であった.試みにBDFを油源として, 油分解を回分系で実施したところ, BDFは72時間で80~90%まで分解されることがわかった.