環境技術
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37 巻, 9 号
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研究論文
  • 濱田 龍寿, 遠藤 茂勝
    2008 年 37 巻 9 号 p. 655-663
    発行日: 2008/09/20
    公開日: 2011/03/31
    ジャーナル フリー
    生活排水や産業排水の流入による水質悪化によって顕在化してきた現象として, 富栄養化した淡水域に発生するアオコと呼ばれる現象がある.これは水資源を確保する上で深刻な問題となりつつある.すでに飲料水への混入が見られるなど大きな社会問題となりつつあるが, 根本的な対策は未だ確立されていない。アオコを構成する藍藻は水面で光合成を行うためのガス胞を持ち浮き沈みをしているので、ガス胞の破壊は藍藻の生命活動に致命的である。本研究では藍藻細胞が水中で生活していることを考慮し水撃圧の応用によって, 藍藻の不活性化について検討した.その結果, 加圧減圧速度が速いほど細胞破壊に有効であること、また水撃圧を応用することで比較的低圧力でガス胞のみならず細胞まで破壊でき、処理効果が著しく向上することがわかった。この方法は装置としても安価で、その上動力を必要としないで連続運転ができ大量の処理にも対応できる極めて実用的, 経済的な方法であることを明らかにした.
  • 堆 洋平, 李 玉友, 原田 秀樹
    2008 年 37 巻 9 号 p. 664-670
    発行日: 2008/09/20
    公開日: 2011/03/31
    ジャーナル フリー
    混合細菌群による中温連続式水素発酵に及ぼすC/Nの影響を明らかにするために, C/Nを3~222に調製した基質を用いて連続実験を行った.実験は6基の完全混合型反応槽をそれぞれ異なるC/Nで運転した.本研究の結果, C/Nは中温連続式水素発酵において重要なパラメータであり, C/N3~22において効率的な水素発酵が可能であった.C/Nが22よりも大きくなると, 基質の分解率, VSS濃度および水素収率がそれぞれ低下した.C/N5における水素発酵の化学量論式は, でんぷん→1.67n H2+1.31n CO2+0.76n酪酸+0.54n酢酸+0.14n菌体 (C5H8.42O2.98N0.99S0.02) と表現できた.また, 水素生成細菌が生成した水素の一部は, 水素資化性ホモ酢酸生成細菌により消費されていることが示唆された.
  • 安井 宣仁, 神子 直之, 岩崎 達行
    2008 年 37 巻 9 号 p. 671-677
    発行日: 2008/09/20
    公開日: 2011/03/31
    ジャーナル フリー
    平成19年厚生労働省省令第54号「水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針」に示されたとおり, 日本国内の一部の上水道において紫外線照射の適用が可能となった.しかし, 紫外線照射槽における消毒効果は槽内の不均一な紫外線強度と分布を持つ滞留時間の積である紫外線照射量により決まるため, 紫外線照射槽の消毒効果の予測は一般に難しいと考えられている.
    そこで, 本研究では2種類の紫外線照射槽を用いて不活化実験とトレーサー実験を行い, 紫外線強度がより均一な紫外線照射槽の結果から, より高効率の紫外線照射槽の性能を予測することを試みた.その結果, 従来用いられてきた簡便な半径光による紫外線強度分布から得られる消毒効果予測値よりも, 新たに考案した修正半径光による予測値の方が実測値をより適切に表していた.また, 修正半径光を用いた場合, 紫外線照射槽外管の内表面での紫外線強度より大きくかつ平均紫外線強度よりも小さい紫外線強度で, 消毒効果が定まっていることが説明可能であった.
技術報告
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