抄録
アスベスト除去作業現場における集じん機排気口付近でのアスベスト濃度の測定は,アスベストモニタリングマニュアルに従って,フィルター捕集した大気サンプルを位相差顕微鏡で観察して繊維状粒子を計数する方法が基本であるが,この方法では測定結果が得られるまでに数時間から数日を必要とする.そのためより迅速に測定結果が得られる方法として,デジタル粉じん計による粒子数濃度の測定が有効と考えられる.本研究では,市販のデジタル粉じん計により集じん機排出口付近の粒子数濃度を測定し,集じん機の排気に含まれる粒子数濃度の状況を把握するとともに,同時に測定した位相差顕微鏡による繊維状粒子濃度の結果を比較することにより,デジタル粉じん計によるアスベスト漏えい監視方法を検討した.