環境技術
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研究論文
沿岸域から単離した腸球菌のPFGE法による遺伝子型解析
古川 隼士吉田 照豊鈴木 祥広
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2011 年 40 巻 3 号 p. 138-143

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抄録

現在,沿岸域における公衆衛生や細菌学的な安全性を確保するために,ふん便汚染源追跡手法の開発が強く望まれている.我々は,先端的な分子生物学的遺伝子解析手法であるパルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)法を水環境に適応させ,追跡手法としての確立を検討している.本研究では,ふん便指標細菌であるEnterococcus faeciumEnterococcus farcalisを港湾域から単離・同定し,PFGE法による遺伝子型の解析を行った.PCR法と生化学性状試験を用いた腸球菌種同定試験において,E. faeciumE. faecalisが,それぞれ40株と2株同定された.港湾域から高頻度で同定されたE. faecium株の40株を用いてPFGE法による遺伝子型の解析を行い,全9種類のPFGE型が得られた.これらのPFGE型を用いて系統樹を作成したところ,類似性レベル0.7において,7グループに分類され,港湾域から回収したE. faeciumはさまざまなPFGE型を示した.PFGE法によるE. faecium株の遺伝子型を解析することによって,水環境におけるふん便指標細菌の分類・特徴付けができた.

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© 2011 環境技術学会
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