2019 年 48 巻 2 号 p. 84-90
ジャトロファがバイオディーゼル燃料の原料として注目されてきた.ジャトロファの持続可能な生産には,油粕に含まれる肥効成分を回収し,栽培に用いた土壌に循環させることがのぞましい.また,ジャトロファ油粕には発がんプロモーターであるホルボールエステルが含まれている.油粕の再利用にあたり,このホルボールエステルを減少させておくことが, 作業者の健康上のぞましい. そこで, 本研究の目的を,ジャトロファ油粕の堆肥化におけるホルボールエステルの挙動を知ることとした.ジャトロファ油粕を堆肥化し,堆肥中のホルボールエステル濃度の変化を測定した.ジャトロファ油粕中のホルボールエステル濃度は堆肥化により低下し,60日後にはもとの10%程度以下に低下した.さらに,植種に用いた堆肥中のリパーゼ産生菌によるホルボールエステルの分解について検討した.単離されたリパーゼ産生菌によりホルボールエステル濃度が低下した.