2020 年 49 巻 2 号 p. 91-97
クリプトスポリジウム等の原虫試験のための濃縮法として開発され,海域での特定酵素基質法による大腸菌試験の誤陽性抑止法としても有効なハイドロキシアパタイト粉体ろ過法のろ過性能および大腸菌濃縮法としての性能を評価した.ため池の水を試料にした場合,∅47 ㎜セルロース混合エステルフィルター(孔径0.22または0.45 µm)あるいはポリカーボネートフィルター(0.2 µm)単独で使用した場合と比較して,本法は2~2.5倍の水量のろ過を可能にした.また,添加実験ではろ過後の濃縮物からの高い大腸菌の回収率を,実際の河川水等を用いた大腸菌試験では,通常行われているMF法および混釈培養法と同等かそれ以上の大腸菌数を得ることができた.本法は現在一般に行われている検水量である100 mLを超える容量の試験を容易に行うことを可能にするとともに,適切な濃縮手段のなかったコリラート法などの液体培地を用いた試験に適用できる水の細菌濃縮法であることが示された.