2020 年 49 巻 2 号 p. 98-106
高値で流通しているハウスミカンは糖度が高いため保蔵および流通販売時にCladosporium 属糸状菌による果皮の汚損(すす斑病)が発生し問題となっている.これを防除するための化学合成殺菌剤に替わる生物的手法として,揮発性抗かび物質を産生する細菌Bacillus pumilus TM-R を用い,果皮表面にC.cladosporioides の胞子を塗布したハウスミカンと本菌の培養物を密閉容器内に入れて30℃で7日間インキュベートした.その結果,有意なかび汚損の低減効果を得た.本菌の曝露により上記糸状菌胞子の発芽・伸長が阻害された.さらに,より強力で広範な抗糸状菌スペクトルを持つ細菌株を得るため,土壌や堆肥から揮発性抗かび物質生産菌を208株分離し,6株の有望株を得た.しかし抗菌スペクトルとCladosporium属に対する効果の点でB. pumilus TM-R が依然優れていることが判明した.